私は人生を楽しんでいない。
嫌々働いているし、家族もそんなに好きじゃない。
明日世界が終わればいいと思うし、生まれてこなければ良かったという思いに取りつかれて気分がひどく落ち込むこともある。

この感情はあまり理解してもらえない。
人と腹を割って話すことが少ない頃は、皆こうだと思っていた。
多くの人は富豪の家に生れなかったので嫌々働いているんだと思ってた。
苦悩と苦痛の繰り返しに辟易してるんだと思っていた。
だが、多くの人が何かと不平不満を口にしながら人生を楽しんでいるような節がある。

以前はこのギャップに苦しんでいたが、今はさほど気にしていない。
他人に同意してもらう必要はないし、他人がどう考えていても自分にはうまく理解できないからだ。
ただし、言わなければいいのに、何かの節に言ってしまうことがある。

――家族はあんまり好きじゃない。
幼少期の一人では生きていけない折に世話をされたという事実はあるが、それ以外のマイナスの面が多く、総体として見ると自分を作ったことに怒りと哀しみを覚える。
――働くのは好きじゃない。
富豪の家に生まれたかったが十分な資産が無いので仕方なく働いている。
働く場所としては今の環境は他よりも良いが、働かないという選択肢がとれないからの仕方なくやっている。

分かってもらわなくていいので、こういう人間がいることを知ってほしくて言ってるんだと思う。
変人の方が気楽だ。