『俺もさ、結婚は人生に必ずしも必要ではないと思ってたけれど、NHKの孤独死特集を見て少し考え方が変わったんだよね。』

以前の職場で良くしてもらった先輩が言っていた。
私はその番組を見ていない。
だが、孤独死はそこまで恐れるものなのだろうか。
確かに、社会から孤立した状態だと、持ち家であれ賃貸であれ、死後発見されるまでかなりの時間がかかる可能性は高い。
異臭に気付いた近隣住民の通報で行政が駆け付け、布団の上でドロドロになった状態で発見されるのだ。

家族(結婚しない人間だと、病死や自然死するころには良くて兄弟、さもなければ疎遠な親戚しか生きていないだろう)や近隣住民には迷惑をかけるかもしれないが、自分が死んだ後にかける迷惑まで気にしてもしょうがない。
事前に遺言を作成しておく、持ち物の整理をしておく、突然死以外の場合は死期が近付いたら国有地で自害するなど、ある程度なら対策も可能だ。
どうしようもない突然死は大目に見てもらうしかないが。

他人の世話になりたくないという気持ちはわかるのだが、単純に一人で死にたくないという気持ちは分からない。
人間死ぬ時は一人だと思う。
家族が周りに集まっていても死ぬという事実は変わらないし、共有できるわけではない。

どんとこい孤独死、そんな言葉をふと思いついた。
こんなこと考えるのは俺くらいじゃないかと、少々得意になってウェブを検索した。
なんということだろう、同じタイトルのブログの記事がすでにあった。
最初に言った人ではなくなってしまったが、もう一回言ってみよう、どんとこい孤独死。