日本は預金を受け入れる金融機関が多すぎじゃないかと以前から考えていた。
メガバンク、信託銀行はかなり統合されたが、再編が進んでいるとはいえ地銀、第二地銀が105行ある。
さらに、信用金庫が267団体、信用組合が154団体がある。
(数字は平成26年のもの。預金保険機構HPの預金保険制度の対象金融機関数推移を基にした。)

これでもすでにお腹いっぱいだが、農協・漁協やその都道府県単位の団体である信農連・信漁連も貯金を預かり融資をしている。
とどめに、全国に広範な代理店網(郵便局)を持つゆうちょ銀行もある。

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今年1月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利が導入された。
今のところ平均的な所得・資産水準の個人の生活にはあまり影響が出ていない。
住宅ローンを借りていた人とMMFで資金運用してた人にはそれなりに影響があったと思う。
しかし、マイナス金利は個人預金者の口座にはまだ転嫁されていない。
1月以降個人の預金の金利も下がったが、普通預金の金利なんてもともとゼロとさして変わらない水準だったのだ。

金利が上がらないのは構造的な要因であって、もう経済の活性化や金融政策では行き詰まりだろうというのが私の感想だ。
オーバーバンキングもその一因になっていると思う。
エビデンスはない。だから感想である。

要因その①:資金使途が過去と比べて相対的に減っており資金需要がない。
社会が成熟して、昔と比べると成長機会は減少している。
ゆえに、設備を拡張したり新分野に乗り出す資金がいらなくなっている。
また、多額の設備投資を必要とする産業が主役の時代が終わったため、M&Aの資金くらいしかまとまったお金がいらないような業態が相対的に増えた。

要因その②:個人が資産をキャッシュで貯めこむことを好むので、融資よりも預金のほうがニーズがある。
未来が不安なので、安心するために現金を貯めこむ。
もっと言うと、他人がいい思いをするのが許せず、タフな自己責任論が好きなので、人のためにもお金を使わない。
日本人の寄付額は諸外国と比べるとかなり少ない。
もちろん背景はいろいろあり、公的な所得の再分配が過剰だなのも一因だと思う。収入の3割を源泉徴収されてはそれなりの収入があっても被害者意識を覚えるだろう。)

要因その③:オーバーバンキングで過当競争のため優良な融資先であるほど金利引き下げ圧力が働く。
地域を代表する企業だったりすると、上に挙げた、メガバンク、信託銀行、地銀、信連、大きな信金といった多くの種類の金融機関と取引がある。
特に地域金融機関はメンツのため、または顧客全体の中での相対的なプレゼンスが他よりも高くなるためか、かなり薄い利鞘の融資を提案している場合がある。
この辺の目線は、金融機関の様態によって明らかに違った気がする。