タイトル:20代で隠居
著者:大原扁理
出版社:K&Bパブリッシャーズ

「節約生活」と併せて購入したダウンシフトして生きる人の本。
著者の大原氏は、東京の多摩地区に共益費込み29,500円の家を借り、だいたい月7万円くらいで生活している。
週に2日介護の仕事で働いており、支出は概ねその収入と拮抗している。
氏のスタイルは、脱力系だが徹底している。
洗濯や掃除には重曹を使い、食べられる野草を摘んで食料にする。
他のダウンシフターもなかなかここまではやっていない。
また、性欲への対処に関する記述はサプライズだった。

・孤独に耐えられる人間は強い

フルタイムで働くと、いろんな人間と協働する時間が長くなる。
「気に入らない人でもいいところを見つけよう」という考え方は窮屈だと筆者は指摘する。
確かに、一人のほうが気楽だと考えられる人間には不要な考え方かもしれない。

・「皆がやっているから」で納得しない

筆者もフルタイムで働いていた時期があるため、長時間労働や東京の家賃が高いことについて不満を持っていた。
これを人に言うと、「皆そうだよ」とか「仕方ないよ」というリアクションが返ってきたという。
氏はそこで納得しなかった。
長時間労働をやめるには生活費をかけずに暮らせばいい、家賃が高いなら安い場所に行けばいい。
そのように考えて行動した結果が現在の隠居生活なのだ。

---


脱力系のタイトルと書きぶりとは裏腹に、他人に流されない強い生き方だと感じた。