金持ちの家に産まれた人間が憎い。
仲の良い家庭に生まれた人間が憎い。
家族や友人や教師から肯定されて育った人間が憎い。
人と話すことが好きな人間が憎い。
他人を信頼できる人間が憎い。
自分に自信のある人間が憎い。
毎日の仕事が楽しいと感じる人間が憎い

どうして自分は幸福ではないのだろう、とよく考える。
私の不幸の源泉は、上に挙げたような憎たらしい人間の持つ要素を持っていないからだ。

貧乏な家庭に生まれたので子供の頃から金の使い方に気を使っていた。
自分の学問やキャリアに、満足な援助が得られなかった。
不仲な家庭に生まれたので、大人たちのいさかいにいつもビクビクしていた。
顔色を伺い、いさかいを抑える役目を押し付けられた。
様々な可能性について、自分には無理だと否定された
勉学だけはそれに逆らって結果を残したが、音楽などはにべもなく否定された
それ故に人と話すのが怖い。
それ故に人を信用できない。
自分で積み重ねてきた勉学とキャリアには自信がある。
だが、否定されて育ったので根っこの部分では自分に自信がない
人と話すのが辛く、他人を信用できないから、働くのが辛い。
10年辛い思いして働いたが、労働を辞めたらせいぜい今の生活を数年続けるくらいの資産しか無い。
にもかかわらず、自分に余剰の金がある分かると家族がタカろうとする。

なんでこんなに頑張っているのに、自分は幸福になれないのだ。
なんでこんなに嫌なことばかりやらなければいけないのだ。
程度の良い大学に進学して、そこでも気を抜かなかった。
意義のある業務をしている会社に勤めて、業界で一貫したキャリアを積んできた。

それなのに毎日死にたいと思う。
こんな生活は、ゴミのように捨てても構わないと思う。
毎日眠りにつく前、隕石が会社に降ればいいと思う。
自分の住んでいる場所に降ればいいと思う。
自分の血族が住んでいる場所に降ればいいと思う。

世界は残酷だ。
そんなに都合のいい隕石は降ってこない。
死ぬまで苦悩の日々が続く。