うつで休んでいる間、自分の感じる生き難さについてずっと考えていた。
決定的な答えはなかなか出ないのだが、掲題のエントリーで自分にとって有用だった考え方を紹介して行きたい。
「会社勤めが辛い」「人間嫌い/人間不信で他人とのコミュニケーションが苦痛だ」「家族が苦手だ」「働いてまで生きたくない」といった私と同じ悩みを抱える方々の一助になれば嬉しい。

私の構造と社会の構造

初めから意図していたわけではないのだが、結果的に私の取ったアプローチは、自分と社会の構造を考えることだった。
「自分の構造」というのは、自分が感じる辛さは環境や人間の本能に起因するということだ。
アダルト・チルドレン、進化心理学などの考え方が参考になった。
「社会の構造」というのは、社会のシステムや常識や行動様態の一部は、人間に苦悩を与えるということだ。
ここでは資本主義を巡る議論(分業、競争、分配、不平等)と、フーコーの哲学が参考になった。
こうして、自分と社会の構造を客観化することで、個別の苦悩や抑うつを引いた目で見られるようになった。
また、苦悩や抑うつを客観視するための手段として、認知療法のアプローチを覚えた。

言うなればこれらは「健全な他者転嫁」を行うためのフレームワークづくりだ。
自分の一部を、生育環境やヒトという種族の問題として切り離す。
また、苦悩の一因が社会の土台の部分にあることを認めて、自分の対処可能な問題から切り離す。
ただし、ここで自分の全てを制御不能なものとして切り離してはいけないし、社会のすべてを自分には対処不能なものとして諦めてもいけない。
全てを他者転嫁した後に待っているのは、自分にできることは何もないという絶望だけだ。

うちなるカウンセラー

心理学者の諸富祥彦氏は『生きるのがつらい』(平凡社新書)というストレートなタイトルの本を書いている。
論理療法や内観法といった臨床心理学のアプローチを紹介し、「生きるのが辛い」という感情に対してどのように対処するのかを述べた実践的な本だ。
同書では、最終目的は自分のつらさを客観視して助言できる「うちなるセラピスト」を作ることだと述べられている。
私はこれを目指した。
ただ、自分で自分に癒やしを与えるというのはこそばゆい感じがするので「うちなるカウンセラー」を作ることにしたのだ。


少しずつまとめて行きたいと思うので、よろしくお付き合いください。