帰ってきたマイナス思考に自信ニキ

他人の言うことに流されたり傷ついたりしないで、自分の頭で考えて生きていきたい。

アルコール依存

抗酒剤の効果(シアナマイド体験談)

抗酒剤という薬があることは吾妻ひでおの「アル中病棟」で知った。
抗酒剤は、アルコールの分解に必要な『アセトアルデヒド脱水素酵素』の働きを阻害する作用のある薬で、服用すると一時的に酒で非常に悪酔いする状態になる
脳に作用して酒が飲みたくなくなるわけではなくて、肝臓に作用して酒を飲むと悪酔いをするようにする薬だ。

ちなみに、禁煙外来で処方される禁煙薬「チャンピックス」は、ニコチン切れの症状を軽くする(タバコが欲しくなくなる)作用と、喫煙の満足感を低下させる(煙草を不味く感じさせる)作用の両方があると言われている。
抗酒剤の効果は後者に相当するものだ。

従って、酒をやめようというモチベーションがない人間には無意味だ。
抗酒剤が抜ければ、それまでと同様に酒を飲める体になる。
家族の指示や保護など、自分の意志以外でアルコール依存の治療を受ける人の中には、抗酒剤を処方されても飲んだふりをして捨ててしまい、家族に潜れて酒を飲む人もいるという。

私が主治医に言わてなるほどと思ったのは、これは「選択肢を無くす薬」だという説明だ。
私のような報酬系壊死ニキは、嫌なことがあったり、不安なことが先に待っていたりすると、酒の海にダイブして嫌な過去や不安な未来を殺したくなる。
抗酒剤を飲んでいる状態だと、酒を飲むという選択肢はなくなる。
酒で過去と未来を殺す前に、「酒を飲む」という選択肢を殺しておくのだ。
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目の前の嫌なことがなくなっても酒をやめられなかった

こちらの記事でも書いたように、私の酒の飲み方は依存症的だ。
アルコールは安易な快楽
毎晩飲んでるけど酒なんて大嫌いだ
その他「アルコール依存」カテゴリの記事はこちら

美味いから飲んでいるわけではなくて、嫌なことを忘れるため万能感を味わうために飲んでいる。
療養生活に入って最大の誤算だったのは、酒をやめられなかったことだ。
会社生活が私の人生の困難さの根源で、それから距離を置けばアルコールは不要になると考えていたのだが、そう簡単な話では無かったのだ。
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毎晩飲んでるけど酒なんて大嫌いだ

「酒の味を食事とともに楽しみ、精神の程よいほぐれ具合を良しとする人にアル中は少ない。(略)
アル中になるのは、酒を『道具』として考える人間だ。」

中島らもの『今夜、すべてのバーで』の一節だが、実に我が意を得たりという表現だ。
美味い酒や飲み会が好きだという人にアル中は少ない。
典型的な依存症者は一人で安酒を黙々と飲むのだ。

働き始めて最初に世話になった上司が日本酒好きだった。
「辛けりゃいいってもんじゃない」「酵母に注目してみると良い」などと、結構ためになることを言う人だった。
十四代手取川もこの人に教わらなければ今でも知らなかったかもしれない。
しかし、悲しいかな私には「高い金を払って旨い酒を飲みたい」という欲求はあんまりなかった。

もちろん、良い米を削って丁寧に作った日本酒は他の酒より美味いと思う。
しかし、私が酒に求めているのはエチルアルコールの薬理作用としてもたらされる酩酊だ。
酩酊により幸福感と万能感を得る。
思考を麻痺させて、過去を忘れ、未来を想像しないようにする。
この2つが私のアルコール摂取の主たる目的なのだ。
そうした用途に照らすと、美味い酒は極めてコストパフォーマンスが悪い。
合成清酒や宝焼酎のウーロン茶割りのほうが用途には適っているのだ。

酒を飲む頻度について聞かれると断酒中以外は「毎日飲んでるよ」と言っている。
「へぇ、お酒好きなんだね。」
「とんでもない。大嫌いだよ。できればもう飲みたくない。」
「えっ?」
ここまでがテンプレートだ。
逆に理解できる場合は、相手も依存症者なのだと思う。

===以下私事=======
薬を飲み始めたので断酒を再開することにします。
できればもう一生飲みたくない。

『アル中病棟』他人事ではないと思った人は依存症かも

タイトル:失踪日記2 アル中病棟
著者:吾妻ひでお
出版社:イースト・プレス

コアな支持者の多い漫画家、吾妻ひでお氏の実体験に基づく漫画。
吾妻は執筆と仕事がないことへのストレスにより酒量が増し、1998年に連続飲酒状態になる。
同年の年末、見かねた家族は吾妻をA病院精神科B病棟(通称、アル中病棟)に入院させる。
アルコール依存に関する真面目な話と、同じく入院患者である奇人変人真人間との交流を交えつつ、アル中ストーリーが語られる。

私は吾妻ひでお氏の漫画は、これと前作に当たる『失踪日記』しか読んだことがない。
『ふたりと五人』も『不条理日記』も世代的には全然被っていない。
とあるまとめサイトで、アルコール依存症者が立てた2ちゃんねるのスレッドがまとめられていた。
この記事(アルコール依存に関する箴言)でも書いたが結構ためになった。)
当該まとめで本書の話題が出ていて興味を持ったのが、本書を手にとったきっかけである。
ちなみに『今夜、すべてのバーで』もそこで見つけて読んだ。
本書に関する対談などによると、氏が入院していた病院、すなわち作中のA病院は三鷹市の長谷川病院らしい。
確かに作中に登場する野川公園や深大寺に近い。

・アル中あるある

中島らももそうだったが、自分にも当てはまることがよく書かれている。
例えば、入院直前の吾妻の描写で、
昼間は100円の日本酒5パック買って街や公園をフラフラ。
帰宅する時25度の焼酎1.8lパック買い(中略)気絶するように眠る。」
これはまさに私のダメな時の週末の行動パターンそのままだ。
もっと進むと幻覚や幻聴が現れたようだが、幸い私は底まで行ってない。

また、退院後に飲酒欲求が出てきてワンカップを前に長時間固まる場面が最後にあるが、これも経験がある。
結局スリップを繰り返している私と違い、断酒が続いている著者は凄いと思う。

・アル中の真面目な話

著者が入院中に経験したプログラムなどを基に、アルコール依存に関する真面目なトピックも書かれている。
「スリップ」「共依存」「否認の病」などの言葉は本書で知った。
ちなみに、当ブログでも何回か使っているスリップ(SLIP)は"Sbriety Lost Its Priority"
平たく言うと断酒している人が飲んでしまうことだ。
また、これらの言葉の意味を調べていく中で「アダルトチルドレン」「機能不全家庭」という自分にとって有用なキーワードにたどり着いた。
断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)といった自助団体の会合の様子が書かれている点も興味深い。

・漫画作品として

別の人の書評で読んだのが、本書を純粋に漫画として読んでも面白いのは吾妻氏の絵によるところが大きい。
扱っているテーマは結構重たいので、劇画調の絵で書いたら全く別の作品になるンじゃないだろうか。
デフォルメしたキャラクターがギャグを織り交ぜつつ展開するので、気軽に読み進めることが出来る。
また、この著者の特徴と言われるが、女の人の書き方は本当に上手い。
頭身は男キャラ同様デフォルメなのだが、美しさと色気ががちゃんと表現されている。


※『失踪日記』の方も面白かったです。蒸発したいと考えたことがある方は是非。


 

ストロング系チューハイのコストパフォーマンスに関する一考察

8月4日のワールドビジネスサテライトで、ストロング系のチューハイの販売が好調という報道があった。
ストロング系というのはここ数年出てきたアルコール度数が8から9%程度のチューハイのことだ。
コンビニの棚を見ると、普通の6%程度の度数のチューハイよりも多くの棚をストロング系が占めている店も多い。
サントリーのストロングゼロ、キリンの氷結ストロング、一周遅れて参入したアサヒのもぎたてが有名所だろう。 

WBSでは第一生命基礎研究所の研究員がコメントしていた。
ズバリ「不況になると値段の割に度数の高い酒が売れやすい」とのことだ。
今の日本は経済成長率は低位だが、決して不況ではないだろう。
新卒大学生の求人倍率も改善傾向だし、失業率も欧州と比べると低位だ。
ただ、人口減少と社会保障支出の増大という暗い未来しか見えないので、0.5%の経済成長率は不況と変わらないということなのだろう。

下表は、公表情報を元に本邦で市販されている酒のエチルアルコール1mlあたりの価格を求めたものだ。

エチルアルコール単価
※ストロングゼロはテイストによって9%の商品と8%の商品があるが、表では氷結との区分のため8%の方を取り上げた。
※宝カップは20%、25%、35%があるが、コンビニだと表で取り上げた35%は置いていないようだ。ちなみに25%だと3.64円/mlである。

表では単価の下位10種(つまりコスパ上位10種)を黄色にしている。
ストロング系は、ウィスキーや焼酎のような蒸留酒合成清酒に次ぐくらいの効率を誇る。
単純にエチルアルコール単価で比べると、ビールはもちろん第三のビールよりもストロング系チューハイのほうが4割も割安だ。

ただ、昔からアル中御用達と言われている合成清酒甲類焼酎のコストパフォーマンスはやはり突出している。
西村賢太氏の小説では、宝焼酎は昼夜欠かせぬとあった。
また、吾妻ひでお氏の失踪日記やアル中病棟でも、氏がコンビニで鬼ころしを5パックまとめ買いする場面が書かれていた。

経済成長率はマクロの話だが、マクロを作り上げているのは個々のミクロの主体に他ならない。
経済が低成長にあえぐとき、我々もまた希望のない未来に嘆いているのだ。

ゆえに、飲む。



過食嘔吐の話

先日、2年ぶりに過食嘔吐をしてしまった。
土日プラス月曜有給で3連休にした最終日、あと12時間後にはまた労働かと思うと抑えが効かなくなってしまった。

やっちまったこと

街をぶらつきながらストロングゼロを飲んでいた。
ぶらぶら、ぶらぶらと、目的もなく歩きながら350ml缶を4本飲む。
前後不覚になりながら、昼飯の豆腐以来何も食っていないなと思い、スーパーに立ち寄る。
惣菜パンを一つと5本目のストロングゼロ、そして半額になっていた弁当を買った。
惣菜パン食べながら帰路につく。
その時点ですでにギアが誤った方向に入ったのかもしれない。
満腹中枢麻痺状態。
最寄り駅のパン屋で大振りなチーズパンを買い求めた。
自宅付近のコンビニでバターロール4個入りスナック菓子を買った。

家についた。
飲み過ぎでもう眠たい。
だが眠ると明日が来てしまう
気が付くと、2食分くらいある大振りなチーズパンを7割がた食べていた。
ままよと思い、残りを平らげ弁当を温める。
電子レンジが回るのを待ちながらスナック菓子に手を付ける。
この時点で、後で吐こうと決意した。
弁当、スナック菓子、バターロール4つを平らげた。
これで3,000キロカロリーくらいだろうか。
酒を入れても4,000キロカロリー、実はカロリー摂取って意外とここらへんが限界なのだろうか。
酔いのせいか過食のせいか、とても気持ちが悪い。
水をしこたま飲み、胃の内容物を吐き出した。
片手で腹のあたりをぐにょぐにょ押すと吐きやすい。
学生の時に覚えた。
もっとも当時は酒を買えば飯は腹いっぱい食えない程度には貧しかったので、太る心配は今ほどしていなかったが。

過食嘔吐の問題点

過食嘔吐は若い女性に多い摂食障害らしい。
確かにいい年したおっさんがやってもいまいち様にならない。

酷くなると習慣的に行うようになり、必要なエネルギーが取れなくなる。
また、吐き戻す様子は汚いし、水回りを詰まらせることもあるので、家族と同居だと不和の原因になる
他に代償行為を見つけて、過食嘔吐は避けた方がいい。
どうしても抑えられない時は、のどちんこを傷つけないこと吐いた後はうがいや歯磨きをして歯を胃液から守ること、この2点に気をつける。

私が過食嘔吐に至った思考

私は一番やばい時でもせいぜい週に1回ペースだった。
健康の維持には支障は無かったと思うが、なんとも惨めな気持ちになる。
当時はかなり深い絶望の中にいたので、毎日が人生最後の日のようだった。
そして、最後の日の晩餐が過食嘔吐だった。
明日になれば俺は死ぬ、だからせめて今、腹いっぱい食いたい。
そのように考えていた。
もっとも、私の最後の晩餐はパンと葡萄酒ではない。
ぶどう酒の代わりに、焼酎、ストロングゼロ、安価なウィスキーが振る舞われた。
パンの代わりに、スーパーの半額の弁当や、大袋入のチョコレート、スナック菓子などが振る舞われた。

腹に収めたまま消化してしまえば良いのだが、それはそれで抵抗がある。
最後の晩餐の後、官吏に引き渡され磔刑に処されたキリストと違い、私には明日が来てしまうのだ。
過食で太ったら余計に毎日が辛くなるのだ。



上に挙げた私の過食嘔吐に至る思考は認知の歪みの産物です。
タフなタスクがうまくいかなくても死なないし、通勤できないほど辛いなら休めば良い。
ただ、心が弱っていると、この思考の客観化が出来ない。
弱った心はヒューリスティックに、酒の快楽や食の快楽で明日のストレスに立ち向かおうとする。
↓は認知療法についての解説書です。
悩みを書き出してみるとか、自分の思考にツッコミを入れてみるとか(論理療法)、単純だけど実践的な対処法も書かれています。

悟りと瞑想の中断

平成28年6月20日、断酒113日目にしてSLIPする(酒を飲んでしまう)。

ふとしたきっかけで、自分が今感じていている苦悩は、この時代にこの国で生きている人間に共通なのだという考えに至った。
他人が嫌いなのも、働くのが嫌なのも、家族が嫌いなのも、普遍的な感情なのだ。
迫害を恐れて声に出さないから、皆自分がマイノリティだと考えているだけで。
時代と環境が、一定程度そのような人間を生み出している。
ああ、俺はそこまで特殊なわけではないのだ。

そのような思いに至ったところで、無性に酒が飲みたくなった。

アルコールはサタンだ。
アル中の生活を思うと、恐ろしくて恐ろしてくてたまらない。
だが、今日はこれまでにない乾きを覚えている。

苦悩からの逃避ではなく、開放の糸口をつかんだのだ。
この状況でエチルを摂取して生じるのが思考の鈍麻か、あるいは思考の加速かはわからない。
ただただ、喉が乾く。
オリジナルな苦悩を失ったゆえに、酒で埋め合わそうとしているのか。

失踪日記2 アル中病棟
吾妻 ひでお
イースト・プレス
2013-10-06

 
プロフィール

執筆者:マイナスニキ

30代会社員。
会社と業務は何回か変わったが、金融業界で10年ぐらい働いている。
会社勤めが好きじゃなく30歳くらいの時からアルコール依存気味になる。ここ数年は断酒とSLIPの繰り返しでうつ休職もしていた。
一人で出来る生業を見つけて会社に勤めないで生きることが目標。
好きな作家は太宰治と沢木耕太郎。

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