帰ってきたマイナス思考に自信ニキ

他人の言うことに流されたり傷ついたりしないで、自分の頭で考えて生きていきたい。

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彼岸花(曼珠沙華)は異形の花だ。
真紅の細長い花弁が天に向かい放射状に広がる。
物言わぬ叫びのように見える。

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大人になってから向日葵の花に惹かれるようになった。
子供の頃は特に思い入れはなく、季節を告げる以上の役割を見いだせなかった。
夏だから向日葵が咲いたのだ。
そして夏が終わるから向日葵が枯れたのだ。

向日葵の力強さと愚直さ

向日葵は、力強く直立し、陽に向かう。
夏の終わりとともに枯れ落ちるが、沢山の種を残す。
子供の頃、向日葵は力強さを象徴する花であった。
だが、自分も挫折と苦悩に日々直面するようになると、違った姿が見えてきた。
いつか枯れると分かっていて、それでも可能な限り立ち続けるのだ。
向日葵は単なる力強さの象徴ではなく、愚直さの象徴のように見えるようになった。
 

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晩夏の向日葵は詫びしい。
以前は力強く背を伸ばし、陽に向かっていた。
だが今はしなだれている。
葉と花びらが枯れ始めた。
「頑張れ」と言ってみたくなる。
または「良く頑張ったね」と言おうか。
おそらく両方間違いだ。
「ありがとう」と言ってみたい。

ゴッホとゴーギャンとナニワ金融道

フィンセント・ファン・ゴッホは向日葵を愛し多くの絵を残した。
ゴッホにとって向日葵は明るい南フランス、ひいてはユートピアの象徴だったと言われている。
あるいは、光の色である黄色を好んだとも、敬愛するゴーギャンが向日葵を好んだからとも言われている。
一説によると、モームの『月と六ペンス』に登場するオランダ出身の画家ストルーヴは、相違点は多いもののゴッホをモデルにしているのではないかと言われている。
なお、『ナニワ金融道』の青木雄二もゴッホの作品を愛した。
『淀川河川敷』という作品にゴッホの絵が出てくる。
(昔コンビニ売のペーパーバックで氏の短編漫画を集めたものが出ていたので読んだ。今はKindle 版があるようだ。しかも今のところUnlimited対象。)

 

青木雄二漫画短編集 完全版1 ゼニの掟編
青木雄二
ゴマブックス株式会社
2015-04-30




015


下町の市で、朝顔の鉢植えを買った。
鉢から伸びた五本の朝顔の蔓を、支柱に連なる三重の輪に絡ませた行灯作りだ。

一鉢二千円。
安い買い物ではない。
小学生の折には毎年栽培していたが、種を蒔き、水やりを欠かさなければ、それだけで文句も言わずに花を咲かせてくれていた。
鉢と土と種を合わせても数百円だろう。

吝嗇の私が朝顔を求めたのは何故か。
それはひとえに、朝起きる楽しみが欲しかったのだ。
数カ月前よりまた悪い病気が心に住み着いた。
人生の虚無と、生命維持のための労働に磨り減る自分を嘆いた。
朝起き上がることに多大な労力を要するようになった。
夕立の中で稲妻が鳴れば、どうか自分を射って欲しいと願い、外に出てずぶ濡れになった。

朝、目を覚ましベランダに目をやる、朝顔が咲いている。
今日も一日なんとかなるかもしれない。
一鉢二千円の朝顔に、そのような救いを求めたのだ。

 

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